報告書
ウモ濃縮溶液のエラスターゼ阻害活性評価
試験依賴社 株式会社APAコーポレーション
被験物質 ウモ濃縮溶液
試験項目 ・エラスターゼ阻害活性評価
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報告書構成
1 要約
2 試験目的
3 試驗概要
4 材料と試験方法
4-1 被験物質
4-2 試験操作
4-2-1 エラスターゼ阻害活性
5 試驗結果
5-1 エラスターゼ阻害活性
6 参考文献
1 要約
ウモ濃縮溶液を添加すると、
・対照と比較して、エラスターゼ活性阻害率が有意に増加した。上記より、ウモ濃縮溶液は抗老化を視野に入れた原料として可能性をもつと考えられた。
2 試験目的
被験物質のエラスターゼ阻害活性を評価し抗老化における被験物質の性質を検証する。
3 試験概要
加齢した人の皮膚では、しみやしわやたるみなどの老徴が観察される。 しわやたるみの一因である
皮膚弾力(ハリ)の低下には、真皮線維芽細胞が産生する弾力線維(エラスチン)を分解するエラスターゼ活性が関与していると考えられている。そこで本試験では、被験物質の、エラスターゼ阻害活性を評価し、被験物質のアンチエイジング化粧料への活用の可能性を検討した。
4 材料と試験方法
4-1 被験物質調製
超純水(CAS No.7732-18-5, Wako, Japan) によって被験物質を希釈して計3濃度(3%, 30%, 100%)を用時調製した。
4-2 試験操作
4-2-1 エラスターゼ阻害活性1,2)
N-Succinyl-Ala-Ala-Ala-p-Nitroanilideを基質としたエラスターゼ活性に及ぼす被験物質の効果を評価する。
1) 96ウェルプレートに50μLの被験物質または対照、50μLの1.25μg/mL エラスターゼ酵素(CAS No.39445-21-1, Sigma-Aldrich,USA)溶液,100 μLのN-Succinyl-Ala-Ala-Ala-p-Nitroanilide (CAS No. 52299-14-6, Sigma-Aldrich, USA)溶液を加え、270 rpmで30秒間振とうした後、37℃で15分間インキュベートした。対照には超純水を用いた。ブランクはエラスターゼ酵素の代替として0.05 M Tris-HCl bufferを用いた。1つの処理群に対し、3ウェルを使用した。
2) 96ウェルプレートを270 rpmで10秒間振とうし、ウェル内の色素を均一に分散した後、マイクロプレートリーダーを用いて415 nmの吸光度 (OD415)を測定した。
3) 被験物質、対照のOD415から被験物質のエラスターゼ活性率およびエラスターゼ活性阻害率を次式により算出した。
エラスターゼ活性率(%) = (S -SB)/(C-CB) ×100
エラスターゼ活性阻害率(%) = {(C- CB)-(S -SB)}/(C -CB) ×100
C:対照OD415 CB:対照のブランクOD415
S:被験物質のOD415 SB:被験物質のブランクOD415
5 試験結果
測定結果の平均および標準偏差、結果を棒グラフにした図を別紙に記載した。
5-1 エラスターゼ活性阻害評価
対照のエラスターゼ活性率を100%とした被験物質のエラスターゼ活性率、エラスターゼ性阻害率の平均および標準偏差を表1、エラスターゼ活性率を棒グラフにした図を図1に示した。
6 参考文献
1) 本好捷宏ほか. 粧技誌. 31 (2), 190-200, 1997.
2) 正木仁・岩渕徳郎・平尾哲一監修,化粧品技術者のための素材開発実験プロトコール集, シーエムシー出版.2105. P347.
表1 ウモ濃縮溶液のエラスターゼ活性率および活性阻害率
図1 エラスターゼ活性率
n = 3, mean ± s.d., unpaired t-test, *P< 0.05, **P < 0.01, ***P< 0.001
s.d.: standard deviation