報告書
ミクロンパウダーが肌の保湿・ハリ弾力に及ぼす影響(即時効果)
試験依頼社 株式会社APAコーポレーション
被験品 ミクロンパウダー(被験品およびモデル洗顔料の全成分を別紙1に記載)
試験項目 保湿・ハリ弾力(即時効果)
・角層水分量測定
・皮膚粘弾性測定
試験実施日 2020年4月2日
保存期間 試験終了後5年間
被験品「ミクロンパウダー」を2% 配合したモデル洗顔料もしくは被験品無配合のモデル洗顔料で洗浄した皮膚の角層水分量、皮膚粘弾性を評価し、皮膚の潤いやハリ弾力に対する被験品の即時効果を検証した。
・被験品洗浄部位の角層水分量は、対照部位と比較して、洗浄30分、1時間、2時間後に有意差をもって高い値を示した。
・ 被験品洗浄部位の皮膚弾力性は、対照部位と比較して、洗浄1時間、2時間後に傾向差をもって高い値を示した。
上記より、被験品「ミクロンパウダー」は即時的に肌を改善する作用があると考えられた。
試験目的
被験品で洗浄した皮膚の角層水分量、皮膚粘弾性を評価し、皮膚の潤いやハリ弾力に対する被験品の即時効果を検証する。
試験概要
皮膚の乾燥やハリ・柔軟性の低下は、キメの乱れ1)・透明感の低下2, 3)・微弱炎症による色素沈着4, 5)・しわ・たるみ・小じわ6-8)などを引き起こして皮膚の外観を損ねる一因と考えられている。本試験では、被験品を配合した洗顔料で洗浄した皮膚の角層水分量や皮膚粘弾性を評価し、被験品が肌に与える影響 を評価した。
被検者
1. 対象
以下の選択基準を満たし、除外基準に合致せず、試験品の使用を自ら希望する者を募集し、適正と判断した被験者6名で試験を実施した。
2. 選択基準
20歳以上59歳以下の日本人女性左右の前腕屈側部を含む皮膚の乾燥を自覚している方
3. 除外条件
1) アトピー性皮膚炎などの慢性的な皮膚症状がある方
2) 現在、皮膚科に通院している方
3) 過去1ヶ月以内に他の臨床試験(医薬品)または健康食品試験および薬剤などを塗布する試験に参加された方
4) 現在他の臨床試験(医薬品)または健康食品試験および薬剤などを塗布する試験に参加中または応募されている方
5) 現在妊娠中または妊娠の可能性がある方
試験
1. 測定部位
前腕屈側部
2. Cutometerによる皮膚のハリ弾力測定原理
Cutometerによる(変位-時間)曲線と力学パラメータと測定される主なパラメータを図1および表
1に示した。
皮膚に密着させたプローブ内を瞬時に減圧して皮膚を吸引し、数秒間保持したのち瞬時に解放する。 この皮膚の変位を、プローブ開口部に配置されたプリズムを用いて光学的に測定する。皮膚の吸引距離示すパラメータR0 (Uf) は、皮膚柔軟性と高い相関を示す9)。また、皮膚の戻り率を示すパラメータR7 (Ur /Uf) は肌のハリやたるみと高い相関を示す10, 11)。
図1 Cutometerによる(変位-時間)曲線と力学的パラメータ
表1 Cutometerで求められる主なパラメータ
3. 試験方法
測定部位を水で洗い、汗や汚れ等を除去した。温度21.0 ± 0.1℃、相対湿度45.0 ± 1.5%に維持された恒温恒湿室で20分間の安静期間を過ごし、試験環境に肌を馴化させた後、測定部位を5μL/cm2の被験品で洗浄し、被験品洗浄部とした。また、被験品を配合していないモデル洗浄料により洗浄し、対照部とした。
同一被験者内において、被験品洗浄部と対照部をそれぞれ設け、洗浄前、洗浄30分後、洗浄1時間後および洗浄2時間後に肌測定※1を実施した。
※1 以下の機器を用いて測定を実施した。
角層水分量 :Corneometer (CM825, Courage+Khazaka, Germany )12 13)
皮膚粘弾性 :Cutometer(CT580、プローブ測定開口部2.0mm、陰圧150mbar、
Courage+Khazaka、Germany )14)
結果
角層水分量および皮膚粘弾性の相対値の平均値および標準偏差、結果を棒グラフにした図を別紙2、測定値の個人データを別紙3に示した。
1. 角層水分量
洗浄前の角層水分量を100%とした角層水分量相対値の変化を表2、図2、角層水分量の測定値を表5に示した。値が大きい程、角層の水分量が多いことを示唆している。
2. 皮膚柔軟性 (R0)
Cutometerにて皮膚を吸引し、その吸引距離を示すパラメータR0(皮膚柔軟性)の洗浄前の皮膚柔軟性を100%とした皮膚柔軟性相対値の変化を表3、図3、皮膚柔軟性の測定値を表6に示した。
値が大きい程、皮膚が柔軟であることを示唆している。
3. 皮膚弾力性(R7、皮膚のハリ)
Cutometerにて皮膚を吸引・開放し、皮膚の戻り率を示すパラメータR7(皮膚弾力性)の洗浄前の皮膚弾力性を100%とした皮膚粘弾性相対値の変化を表4、図4、皮膚弾力性の測定値を表7に示した。値が大きい程、皮膚にハリ・弾力があることを示唆している。
参考文献
1) J. Sato., et al., Arch. Dermatol. Res. , 292, 412-417, 2000.
2) H. Fujita., et al., Skin Res. Technol. , 13, 84-90, 2007.
3) I. Iwai., et al., Int. J. Cosmet. Sci. , 30(1), 41-46, 2008.
4) K. Kikuchi., et al., Dermatology , 207, 269-275, 2003.
5) K. Maeda., et al., Photochem Photobiol. , 64(1), 220-223, 1996.
6) T. Fujimura., et al., J. Dermatol. Sci. , 47(3), 233-239, 2007.
7) JW. Choi., et al., Skin Res. Technol. , 19(1), 349-355, 2013.
8) Y. Hara., et al., Int. J. Cosmet. Sci. , 39(1), 66-71, 2017.
9) H. Dobrev., Skin Res. Technol. , 6, 239-244, 2000.
10) H. S. Ryu., et al., Skin Res. Technol. , 14, 354-358, 2008.
11) T. Ezure., et al., Skin Res. Technol. , 17, 510-515, 2011.
12) E. Berardesca., et al., Skin Res. Technol. , 126-132, 1997.
13) U. Hinrich., et al., Int. J. Cosmet. Sci. , 25(1-2), 45-53, 2003.
14) Y. Takema., et al., BR. J. Dermatol. , 131, 641-648, 1994.