エビデンス

Evidence
2022/05/26
  • 珪素
  • 美容

チロシナーゼ・エラスターゼ阻害活性(粉末)

報告書

umoミクロンパウダーのチロシナーゼ阻害活性エラスターゼ阻害活性

評価

試験依頼社 株式会社 APAコーポレーション

被験品 umoミクロンパウダー

試験項目 美容3領域簡易検討セット <美白・抗老化・抗酸化>

・チロシナーゼ阻害活性

・エラスターゼ阻害活性

試験実施日 2020年3月16日

保存期間 試験終了後5年間

報告書構成

1 要約

2 試験目的

3 試験概要

4 材料と試験方法

4-1 被験品

4-2 試験操作

      4-2-1 チロシナーゼ阻害活性

4-2-2 エラスターゼ阻害活性

5 試験結果

5-1 チロシナーゼ阻害活性

5-2 エラスターゼ阻害活性

6 参考文献

3

1    要約 

umoミクロンパウダーは、

・ 対照と比較して、チロシナーゼ活性阻害率を有意に増加させた。

・ 対照と比較して、エラスターゼ活性阻害率を有意に増加させた。 

上記よりumoミクロンパウダーは、有効な美白作用・抗老化作用をもつ被験品であると考えられた。

2    試験目的

被験品の、チロシナーゼ阻害活性・エラスターゼ阻害活性を評価し、美白・抗老化領域における被験品の性質を検証する。

3    試験概要

加齢した人の皮膚では、しみやしわやたるみなどの老徴が観察される。しみ、すなわち表皮におけるメラニンの蓄積にはメラノサイトにおけるチロシナーゼ活性が重要な役割を果たしている。また、しわやたるみの一因である皮膚弾力 (ハリ)の低下には、真皮線維芽細胞が産生する弾力線維(エラスチン)を分解するエラスターゼ活性が関与していると考えられている。そこで本試験では、被験品の、チロシナーゼ阻害活性・エラスターゼ阻害活性を評価し、被験品のアンチエイジング化粧料への活用の可能性を検討した。

4    材料と試験方法

4-1    被験品調製

超純水 (CAS No.7732-18-5, Wako, Japan) によって10%の被験品を用時調製した。超純水により公比10で連続希釈して計3濃度 (0.001%, 1%, 10%) を用時調製した。対照には超純水を用いた。 

4-2 試験操作

4-2-1    チロシナーゼ阻害活性1-3)

Dihydroxyphenylalanine(DOPA)を基質としたチロシナーゼ活性に及ぼす被験品の効果を評価する。 

1)  1.5 mLチューブ (Cat No. 0030125150, Eppendorf, Germany) に80μLの被験品または対照、160μLの40 units/mLチロシナーゼ (CAS No. 9002-10-2, Sigma-Aldrich, USA) 溶液および400μLの100mMリン酸buffer (pH6.8) を加え、ボルテックスミキサーを用いて溶液を混合し、23℃で3分間インキュベートした。ブランクはチロシナーゼ溶液の代替として100 mMリン酸bufferを用いた。1つの処理群に対し、3ウェルを使用した。

2)  3分後、200μLの2.5mM 3,4-L-Dihydroxyphenylalanine (L-DOPA, CAS No. 59-92-7, Wako, Japan) 溶液を加え、ボルテックスミキサーを用いて溶液を混合した後、12,000 × gで3分間遠心した。上清を1.5 mLチューブに回収したものを96ウェルプレート (Lot. 9107, Corning, USA) に210μLずつ分取し、マイクロプレートリーダー (SPARK®10M, TECAN, Switzerland) を用いて490 nmの吸光度 (OD490) を測定した。 

3)  測定したプレートを23℃で10分間インキュベートし、10分後、490 nmの吸光度 (OD490) を測定した。

4)  被験品、対照のOD490から被験品のチロシナーゼ活性率およびチロシナーゼ活性阻害率を次式により算出した。

チロシナーゼ活性率(%) =  {(As10-Ab10)-(As0-Ab0)}/(Ac10-Ac0)×100

チロシナーゼ活性阻害率(%) = 100 -【{(As10-Ab10)-(As0-Ab0)}/(Ac10-Ac0)×100】

Ab0:インキュベート前のブランクのOD490  Ab10:インキュベート後のブランクのOD490

Ac0:インキュベート前の対照のOD490  Ac10:インキュベート後の対照のOD490

As0:インキュベート前の被験品のOD490  As10:インキュベート後の被験品のOD490

4-2-2    エラスターゼ阻害活性4, 5)

N-Succinyl-Ala-Ala-Ala-p-Nitroanilideを基質としたエラスターゼ活性に及ぼす被験品の効果を評価する。 

1)  1.5 mLチューブに200μLの被験品または対照、200μLの1.25μg/mL エラスターゼ酵素 (CASNo.39445-21-1,Sigma-Aldrich,USA)液、400μLのN-Succinyl-Ala-Ala-Ala-p-Nitroanilide (CAS No. 52299-14-6, Sigma-Aldrich, USA) 溶液を加え、ボルテックスミキサーを用いて溶液を混合した後、37℃で15分間インキュベートした。ブランクはエラスターゼ酵素の代替として0.05 M Tris-HCl bufferを用いた。1つの処理群に対し、3ウェルを使用した。 

2)  15分後、12,000×gで3分間遠心し、上清を1.5 mLチューブに回収した。回収した上清を96ウェルプレートに200μLずつ分注した後、マイクロプレートリーダーを用いて415 nmの吸光度 (OD415) を測定した。

3) 被験品、対照のOD415から被験品のエラスターゼ活性率およびエラスターゼ活性阻害率を次式により算出した。

エラスターゼ活性率(%) = (S -SB)/(C –CB)× 100

エラスターゼ活性阻害率(%) = {(C– CB)-(S -SB)}/(C –CB)× 100

C: 対照のOD415  CB:対照のブランクOD415

S:被験品のOD415   SB:被験品のブランクOD415

5    試験結果

測定結果の平均および標準偏差、結果を棒グラフにした図を別紙に記載した。

5-1    チロシナーゼ活性阻害評価

対照のチロシナーゼ活性率を100%とした被験品のチロシナーゼ活性率、チロシナーゼ活性阻害率の平均および標準偏差を表1、チロシナーゼ活性率を棒グラフにした図を図1に示した。

5-2    エラスターゼ活性阻害評価

対照のエラスターゼ活性率を100%とした被験品のエラスターゼ活性率、エラスターゼ活性阻害率の平均および標準偏差を表2、エラスターゼ活性率を棒グラフにした図を図2に示した。

6    参考文献

1) T. S. Chang., Int. J. Mol. Sci. , 10, 2440-2475, 2009.

2) H. S. Mason., J. Biol. Chem. , 172, 83-99, 1948.

3) 芋川玄爾監修. 機能性化粧品素材開発のための実験法. シーエムシー出版. 2007. P354.

4) 本好捷宏ほか. 粧技誌. 31 (2), 190-200, 1997. 

5) 正木仁・岩渕徳郎・平尾哲二監修. 化粧品技術者のための素材開発実験プロトコール集.

シーエムシー出版. 2105. P347.

6) Om P. Sharma and Tej K. Bhat., Food Chem. , 113, 4, 1202-1205, 2009.

7) S. Mark and M. Alger., Polymer science dictionary. Springer. , P152, 1997.

8) 芋川玄爾監修. 機能性化粧品素材開発のための実験法. シーエムシー出版. 2007. P354.

表1 被験品のチロシナーゼ活性率および活性阻害率

図1 被験品のチロシナーゼ活性率

n = 3, unpaired t -test, *P < 0.05, **P < 0.01, ***P < 0.001

表2 被験品のエラスターゼ活性率および活性阻害率

図2 被験品のエラスターゼ活性率

n = 3, unpaired t -test, *P < 0.05, **P < 0.01, ***P < 0.001

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